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個人事業主でも使える補助金・助成金

サラリーマンを辞めて個人事業主としてのスタートを切ろうする際、当たり前ですがどうしてもお金が必要になってきます。特に、広告代理事業をやるとなると、Goole、Yahoo!、FACEBOOKなどの広告媒体への先払いが必要になるケースがあります。

銀行などの融資以外にも、個人事業主でも使える補助金・助成金制度があるのをご存知でしょうか?ハードルは低くはありませんが、チャレンジできる制度ですのでご利用の検討をされてみてください。。

 

1.補助金・助成金とは?

補助金・助成金とは国や公的機関が企業の経営をサポートするために出してくれる公的資金のことです。補助金・助成金の最大の特徴は融資と違って返済不要ということです。国や公的機関はなぜ返済不要の公的資金を出してくれるのでしょうか?それは企業の業績が上昇して、雇用も拡大すれば、より大きな税収が期待されるからです。公的資金の原資は税金なので、国や公的機関から見れば、税金を投資してより多くの税金を刈り取る、つまり投資活動しているということになります。まずはなぜ補助金や助成金が存在するかというこのポイントを経営者は押さえておく必要があります。

次に補助金と助成金の違いについて簡単に説明します。補助金と助成金の違いは法的に存在するわけではなく、一般的に国や公共機関が行っている補助金・助成金の名称から便宜上分けているに過ぎません。これによると、補助金とは主に企業の商品開発や設備投資、広告宣伝費などの経費を補助してくれるもの、助成金とは企業の雇用活動をサポートしてくれるものと定義することができます。したがって、補助金は経営系、助成金は労働系、お金の出所から見ると、補助金は経済産業省系、助成金は厚生労働省系と分類することができます。

 

2.個人事業主は法人よりも不利なのか?

補助金・助成金は企業の経営活動をサポートするものだということになりますが、個人事業主の方は次のような疑問があるかもしれません。「個人事業主は企業として扱ってもらえるのか?」「法人と比べると不利になるのではないか?」と。結論から言うと、このような心配は無用です。個人事業主は立派な企業であり、法人と比較しても全く不利になることはありません。

個人事業主は対象外という補助金・助成金はありません。ただし、業種や企業規模、雇用の有無、事業継続年数等の条件によっては対象外になる場合があるので、自社が条件を満たしているかどうかを確認する必要があります。この条件面の中で特に大きいのが雇用の有無です。補助金は雇用が無くても対象になりますが、助成金は雇用が無いと対象外になります。また基本的なことになりますが、開業届を税務署に出していないと、個人事業主として認めてもらえないので、開業届を出していない方はすべての補助金の対象外ということになってしまいます。

 

3.補助金は入試と同じ?

この記事を読んでいるあなたは、まずは一人で独立して個人事業主としてやっていこうと思っている方だと思うので、ここからは雇用無しでもOKである補助金に絞って説明をします。補助金について必ず押さえてもらいたいポイントは次の点です。

まずは、補助金は応募すればだれでももらえるものではないということです。補助金の応募には必ず事業計画書の提出が必要であり、この事業計画書の良し悪しで、補助金がもらえるかどうかが決まる(これを採択されると言います)ということになります。これは、高校や大学の一般入試と同じだと考えればわかりやすいです。入試に合格するためには、定員数と最低基準点をクリアする必要があります。補助金は予算の範囲内で支給されますので、採択数には限りがあります。また定員割れであっても、一定の水準以下の事業計画は採択されないということになります。記事の冒頭で補助金は国の投資であると書きましたが、レベルの低い事業計画には投資できないということです。

次に、補助金は審査が通って採択されたとしても、先にお金がもらえるものではないということです。事業計画書の通りに経費を支払って事業完了の報告を行ってから、補助金が振り込まれるという流れになります。したがって、事業資金を先に確保しておく必要があるということになります。

それでは次に独立したばかりでも取り組みやすい補助金について説明します。

 

4.小規模事業主持続化補助金

まずは小規模事業者持続化補助金です。この補助金は広告宣伝費や新事業のための設備投資費などに対する補助金です。補助率は2/3で、補助金の上限は50万円(要件を満たした場合は100万円)です。この補助金は毎年公募が行われており、多くの個人事業主が応募し採択されています。採択された事業者と事業計画名がホームページで公開されていますので、「小規模事業者持続化補助金 採択」で検索してみるといいと思います。

ただ今年度は、「一般枠」での公募はなく、「低感染リスク型ビジネス枠」のみの募集となっているので、新型コロナウィルスの影響とそれを乗り越えるビジネスモデルの取組が必須となっているので応募条件に当てはまるかどうか注意が必要です。

<低感染リスク型ビジネス枠>小規模事業者持続化補助金 (jizokuka-post-corona.jp)

 

5.東京都創業助成金

次におススメなのが、東京都創業助成金です。こちらは名称が助成金となっていますが、内容は補助金です。東京都の補助金はすべて助成金という名称がついています。東京都創業助成金の補助率は2/3で補助金の上限額は300万円です。この補助金の特徴は家賃などの運転資金も補助の対象となること、開業届を出す前の開業準備状態でも応募可能ということです。

気を付けるべき点は、東京都民であっても、東京都内で開業している(もしくは開業予定)ことが応募条件になることです。開業している方は開業して5年未満であれば応募が可能です。さらに応募するためには、起業に対する基本的な知識やスキルを身に着けていなければならないという制約があります。具体的には、TOKYO創業ステーションの事業計画策定支援修了者であることや、市区町村が行う創業セミナー(特定創業支援事業)の修了者であることなど、応募要綱に定められた創業支援のどれか一つを応募前に受けておく必要があります。

創業助成金(東京都中小企業振興公社)|融資・助成制度 (tokyo.lg.jp)