<手続関連-3>個人事業主のメールアドレスはどうする?ドメイン取得のメリットなどを解説
個人事業主として仕事をする際、メールでのやり取りは欠かせません。そこで気になるのがメールアドレスをどうするかという問題です。フリーメールを利用するか、それとも独自ドメインを取得すべきかお悩みの方も多いのではないでしょうか。そこで本記事では、個人事業主が仕事用のメールアドレスを取得・設定する際のポイントや、独自ドメイン取得のメリットなどを解説します。
仕事用のメールアドレスを作ろう
結論から言えば、個人(プライベート)用とは別に仕事用のアドレスを持っておくべきです。なぜなら、個人用のアドレスを仕事用としても利用していると、プライベートのメールと混同し、業務上の大事なメールを見落とすおそれなどがあるからです。
クライアントとのメールのやりとりが少なければ問題は起きないかもしれませんが、多くの仕事を引き受けるようになり、メールの量も増えると管理が煩雑になります。
仕事用メールアドレスの取得パターンは2つ
仕事用のアドレスを作る際、フリーメールと独自のドメイン取得の2パターンがあります。
フリーメールは、Gmailのアドレスなど基本的に無料で使えるアドレスのことです。
一方、独自ドメインは「@〇〇.com」のように、@の後ろ(ドメイン部)も自由に決められるアドレスです。一般に、サーバー提供会社とレンタルサーバー契約をしてドメインを取得する必要があります。
近年はチャットアプリでのやり取りが一般化していることもあり、フリーアドレスでも特段大きな問題になることはそれほどありません。しかし、「フリーアドレスはビジネス上望ましくない」という声も一部あります。これは、フリーアドレスは悪質なスパム業者などが利用していることも多く、セキュリティ面から良い印象を持たれない可能性があるからです。
こうした理由から、独自ドメイン取得を考えている方も多いのではないでしょうか?そこで以下では、独自ドメインでメールアドレスを作るメリット・デメリットをご紹介します。
独自ドメイン取得による3つのメリット
独自ドメインを取得すると、次のようなビジネス上のメリットがあります。
1. クライアントからの信頼度が上がる
独自ドメイン取得には費用がかかりますが、裏を返せば、仕事に対し必要なコストをしっかりとかけている個人事業主であるとクライアントから信頼されやすいということです。
特に、セキュリティ対策に力を入れている大手企業とのやり取りがある場合や、ブランディングに力を入れたい場合は有効でしょう。
2. 目的に沿ったアドレスを設定できる
独自ドメインであれば、@の後ろのドメイン部分も自分で決められるため、使用目的やサービス内容に沿ったアドレスを設定できます。たとえば、コンサルティング業務を行うなら〇〇@consulting.comのように設定することで、取引先に一目でこちらの事業内容を理解してもらえます。
覚えてもらいやすいようアドレスをシンプルにしたり、あるいはあえて奇抜なものにしたりと、アドレス設定の自由度が高い点も魅力です。
3. SEO効果が上がる
独自のドメインを取得すると、メールアドレスだけでなくホームページも独自に運用でき、SEOの観点から効果的です。
無料ドメインの場合、サービスの廃止などによりサイトが消えるリスクがゼロではありません。また、ホームページのカスタマイズの自由度が狭い点もデメリットです。
一方、独自ドメインならそうしたリスクを気にせず、自分好みにカスタマイズしつつSEOの評価を蓄積できます。
独自ドメイン取得のデメリット
独自ドメインのデメリットを挙げるとすれば、取得や維持に費用がかかる点です。
ドメインの最後の部分は「.com」「.jp」「.net」などがメジャーですが、これらは比較的高い費用がかかります。それらに比べると、「.biz」「.info」などは安価です。
とはいえ、いずれも取得料は数百円~数千円、更新料は高くて年間数千円程度のものが一般的であり、業務上必要な経費としては決して高くはありません。
独自ドメインでメールアドレスを設定する際の2つの注意点
独自ドメインを取得してメールアドレスを設定する際には注意点もあります。一度設定すると変更や新アドレスの周知などに手間がかかるため、設定前によく検討しておくことが大切です。
1. ドメインの信頼性を意識する
まずはドメインの信頼性を意識することが重要です。
一般に、「.com」「.jp」「.net」など、見慣れたドメインの方が信用度は高まります。「biz」や「.info」なども、ビジネス上のメールアドレスだとイメージされやすい利点があります。
一方、あまり見慣れないドメインは費用が安いメリットがあるものの、悪質な業者などのアドレスではないかと怪しまれる可能性もゼロではないため、できれば避けた方が無難です。
2. 相手に与える印象を考慮する
メールアドレスが相手に与える印象も考慮する必要があります。
覚えやすく、かつサービス・仕事の内容のわかりやすいアドレスが理想です。仕事で使う氏名や屋号などを入れたアドレスであれば問題ないでしょう。
当然のことながら、相手に不快な印象を与えかねない、もしくは長すぎて覚えられない、といったアドレスは避けるべきです。規則性のない文字列の羅列など、複雑なアドレスは入力間違いや送信先設定などのミスを招くリスクもあります。
この点はフリーアドレスにも当てはまるので、独自ドメインを取得しない場合も注意が必要です。
まとめ
この記事では、個人事業主のメールアドレスについて解説しました。
おさらいすると、大前提としてプライベートと仕事用のメールアドレスは必ず分けましょう。その上で、信頼度やアドレスのオリジナリティを高めたい場合や、ホームページと一貫して運用したいのであれば、独自ドメインを取得するのがおすすめです。
また、フリーアドレス・独自ドメインを問わず、なるべく複雑なアドレスは避け、覚えやすく、事業やサービス内容に沿ったアドレスを設定するのが理想です。