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晴れて広告代理店から独立!しかし、こんなはずじゃなかった。個人事業主の失敗談から学ぶ成功の心得

個人事業主の地盤固めは簡単ではありません。

会社員時代に十分な業務遂行スキルと予備知識を積んでいても、いざ独立すると想定と現実が全く違う……。そう後悔する人が少なくないのが現状です。

 

独立を目指すデジタル系広告分野にお勤めの方は、最初の一歩として「先輩の失敗談」を学び、心構えを新たにしてみましょう。

個人事業主の失敗談

会社員から独立した後に躓く原因は様々です。そして、全ての要因を取り除けば100%成功するとも言えません。ここでまず先輩の話す失敗談を頭に入れておけば、万一の時のための備えにも役立つはずです。

収入が足りない

個人事業主として生き抜くには、自身の生活費にプラスして事業拡大のための資金も稼ぎださなくてはなりません。現実には「生活費すら十分に得られない」と悩む人が少なからず存在します。

  • 案件が上手く確保できず、収入が伸び悩む
  • 売上は伸びないのに、生活費や設備投資ばかりかさむ

クライアントとトラブルになる

次に挙げられるのは、取引先とのトラブルで心身共に消耗してしまうケースです。
原因は様々ですが、根本的には収入不足とタスク管理不足、そしてストレスによる生産性低下のデス・スパイラルによるものが大半です。

  • 成果物に関する要件のすり合わせが足りず、大幅修正が出てしまう
  • 納期に間に合わせようとすると、別の受注分が間に合わなくなる

個人事業主と会社員の違い│失敗を避けるために

どの分野の個人事業主であっても、会社員とは全く違う困難が待ち受けています。転身後の失敗とは、その違いに対応しきれなかったことだと言っても過言ではありません。
独立を考えるデジタル系広告分野にお勤めの方は、現状認識をここで改めておきましょう。

自己管理すべき項目が増える

いったん個人事業主になれば、いままで分担できていた仕事がたった1人に集中します。タスクを分類すれば、営業活動・問い合わせ対応・進捗管理・財務や会計にかかる処理……とのように、大半が雑務です。コア業務のボリュームが増える程、全体の進め方について工夫が求められるでしょう。

競争相手が多い

特に意識したいのは、競争相手の多さです。これまでのように組織ごと競争に立ち向かえるのではなく、個人として無数にいる同業者と競わなくてはなりません。

実のところ、個人事業主人口の集計は特性上難しく、公式上の数は不明のままです。
手がかりになるのは令和元年に行われた構成比調査(リンク)で、雇用的自営業等と呼ばれる「雇い入れ人のいない自営業主」につき、平成27年までの5年間で158万人から164万人へと増加しています。
考えたいのは、個人事業主にも色々な働き方がある点です。市場に出れば、副業ワーカーも競争相手として立ちはだかります。デジタル系広告分野に限って言えば、需要の伸びと合わせて受託・請負をする人の数も急激に増えていると想定されます。

個人事業主が失敗する4つの理由

現状を踏まえた個人事業主の失敗談を分析してみると、具体的な改善点がいくつもあり、それらが互いに作用し合っていると分かります。ここで、まだ会社員であるうちに「先々で出てくる課題」を押さえ、予防したい根本原因を探ってみましょう。

受注できない

失敗の理由の最たるものが、受注件数の少なさです。
駆け出しの頃は実績がなく、営業手法に大きく左右されるでしょう。ある程度まで経験を積み、紹介や問い合わせで仕事が入ってくるようになっても、その後の流れは納品後の顧客の反応しだいです。あるいは、得意分野が市場のニーズに合わなくなり、自然と受注量が減ってくることがあるかもしれません。

【受注不足の根本原因】

  • 営業不足(新規開拓が足りない)
  • 実績不足(次の受注に繋がる実績がない)
  • ニーズの変化(需要減少に対応できていない)

安請け合いしてしまう

次によくあるのが、不適切な対価設定です。
労働法関連のニュース等で時々指摘される通り、個人事業主は相対的に弱い立場に置かれています。まだ主要取引先が少ない頃には、この発注相談を逃せば次はないだろうとの強い思いから、安請け合いしてしまうかもしれません。一番よく聞かれるのは、単価交渉できず、難易度の高い仕事を請け続けてしまう……というものです。

【安請け合いの根本原因】

  •  取引相場が分からない(情報不足)
  • 競争相手を意識しすぎている(プレッシャーに弱い)
  •  細かい見積りが出せない(要件定義や工数管理が行き届いていない)
  • 案件を抱え過ぎてしまう

個人事業主生活が軌道に乗り始めてからは、案件を抱え過ぎてしまうケースがよく見られます。
そうなると、タスク管理やオン・オフの切り替えに無理が生じるのは必然です。体調を崩す・生産効率が落ちる・納期に間に合わない……とのように、悪循環は避けられません。安易に引き受けすぎるのは避け、出来るだけ先々のことを考える必要があります。

【案件過多の根本原因】

  • 見通しの甘さ(スケジュール管理の不行き届き)
  • 効率化アクションの不足(業務の進め方が甘い)
  • 取引先からのプレッシャー(失注に対する過度な恐怖)

スキル研鑽が足りない

個人事業主として活動することは、いわば「最小規模の会社経営」です。常に業務スキルを向上させるつもりでいなければ、成果の維持は望めません。
肝心のスキル向上の実践に関しては、意欲と時間の両方が必要です。多くの場合は時間の確保に悩まされ、行き詰ってしまいます。

【スキル面で伸び悩む根本原因】

  • 学ぶ時間がない(案件や営業に追われてしまう)
  • 意欲が湧かない(過労による体調不良等)
  • 学び方や学習分野が分からない(情報不足)

個人事業主として成功するための心得

個人事業主の成功法を1つに絞ることは到底出来ません。独立前の準備も、課題にぶつかった時の対処法も、各々全く違うものです。ただ前者に関して言えば、基本はある程度まで共通しています。
デジタル系広告分野にお勤めの方は、是非とも以下のような準備をしましょう。大きな失敗を避け、堅実に成功ルートを行くために必要な心得です。

財務&税務を学んでおく

今から新たに学ぶべきことは、財務・会計・税に関する情報です。
独立後の日常における経理に関しては、日商簿記3級程度の基礎知識があれば概ね対応できます。さらに決算処理から確定申告までの流れも押さえておけば、あとは発想しだいで業務効率化を図れるでしょう。
また、ほぼ自己資金だけで事業を営む個人事業主にとって、売上分析とキャッシュフロー管理も特に重要です。どちらもきちんと学んでおけば、事業計画を整備できます。

仕事の入り口を作っておく

営業で得られる案件数には、ある程度の限界があるものです。知名度の面でも、法人格で活動する場合と比べてはるかに不利です。そこで、会社員時代から人脈は広く持ち、仕事の入り口を作っておくと良いでしょう。
そうは言っても、交流のきっかけがなかったり、コミュニケーション能力に不安があったりする人もいます。当てはまる場合は、人材会社への相談・登録も視野に入れましょう。

独立前に目標設定する

重要なのは、会社を離れる前に目標設定しておくことです。
設定は時間軸上で行い、1年後・3年後・5年後……とのように複数のスパンで「達成すべき事項」を定めると良いでしょう。何より大切なのは「具体化」です。

【目標設定の例】

  • 6か月後には、月間売上500万円以上を安定的に確保する
  • 1年後には主要取引先を10社確保し、特定の顧客に依存しない体制を作る
  • 3年後には法人化し、従業員と設備を導入して分業体制を整える

おわりに

個人事業主を取り巻く環境は厳しく、様々な業務上の課題に1人で立ち向かわなくてはなりません。失敗を避けるには、主に「案件の取り方」「単価交渉」「受注の上限数」「スキル向上のための意欲と時間」の4点で、望ましいやり方を考える必要があります。

個人事業主に特化したエージェントの役割は、単に「仕事の紹介」に留まりません。
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